ヴィンテージラグを再構築するという選択 ── Fringe Collar Rug Jacket “Two Faces” に見るリメイクの思想
ヴィンテージラグを服にする。
それは、素材を装飾として消費することではなく、
時間や文脈をどこまで衣服として引き受けられるかという選択です。
Remake by VERSでは、
ヴィンテージラグを用いたリメイクを
単発の試みではなく、連作として継続してきました。
その積み重ねの先にあるのが、
シリーズ第4弾となる
Fringe Collar Rug Jacket “Two Faces” です。
【ラグリメイクの原点|第1弾 フーディジャケット】
最初のラグリメイクは、
ヴィンテージラグを大胆に解体し、
フーディジャケットとして再構築する試みでした。
ラグ特有の重さや強い柄を、
日常着として成立させるために、
・分量のコントロール
・裁断位置の調整
・シルエットの軽量化
といった構造的な再配置を主眼に制作。
この初期作では、
「ラグはそのまま使うだけでは服にならない」
という重要な前提を確認する段階でもありました。
▶ ヴィンテージラグを解体・再構築 —
Remake by VERS「ラグリメイク フーディジャケット」新作
https://vers-onlinestore.com/news/68c6a2f7af9b6b6a2dafdeaa
【第2弾|ノーカラージャケットという選択】
続く第2弾では、
ノーカラージャケットという
よりミニマルなフォーマットへと展開。
襟という要素を削ぎ落とすことで、
ラグの装飾性や柄の強さを
構造と余白で受け止めるアプローチを採用しました。
ここでラグリメイクは、
派手さやインパクトではなく、
構成そのもので成立させる段階へと進化します。
▶ ノーカラージャケットに新たな解釈を。
ラグ(絨毯)を再構築したリメイク作品
「Vintage No-Collar Rug Jacket」
https://vers-onlinestore.com/news/68e0d879b859d3357f7369c9
【第3弾|アートジャケットとしての確立】
第3弾では、
ラグリメイクを明確に
アートジャケットとして位置付けました。
ラグの柄そのものを主役にし、
一点物としての完成度や
視覚的な強度をさらに引き上げたシリーズです。
この段階で、
ラグリメイクは
「試み」から「表現」へと変わっていきました。
▶ 【第3弾】Remake by VERS Rug Series
ラグを再構築したアートジャケットの新章
https://vers-onlinestore.com/news/691056b2f76ce7485a4dd1f8
【そして第4弾|“Two Faces”という到達点】
これまでの制作で得た知見を踏まえ、
シリーズ第4弾として制作されたのが
Fringe Collar Rug Jacket “Two Faces” です。
本作の最大の特徴は、
ラグ本来のフリンジを、装飾ではなく襟の構造として組み込んだ点。
フリンジはラグの端に残された副次的要素ではなく、
このジャケットでは
デザインの核として再定義されています。
さらに襟元にはボタンを内蔵し、
・レギュラーカラー
・スタンドカラー
という2WAY仕様を実現。
着用方法によって印象が切り替わる
“Two Faces(二つの表情)”というコンセプトが、
構造として成立しています。
【柄ごとに異なる、ラグの記憶】
“Two Faces”シリーズでは、
すべて異なるヴィンテージラグを使用。
植物文様、オリエンタルパターン、
抽象柄、テキストラグなど、
それぞれが持つ元のデザインや意味性を読み取り、
裁断位置や構成を調整しています。
中には、
帽子やヒール、パールといった
ファッションアイテムのモチーフが
散りばめられたラグも存在します。
服を象徴するモチーフを織り込んだラグを、
再び服へと再構築する。
そこには、
ファッションを内省するような
メタ的な視点も内包されています。
【なぜショート丈なのか】
本シリーズがショート丈で設計されているのも、
単なるデザイン上の理由ではありません。
・現代のトレンドに落とし込むため
・ラグの柄を最も美しく見せるため
・重くなりがちな素材を軽やかに着るため
・レイヤードを前提とした現代的なバランス
これらを踏まえ、
「ラグ=重たい」という固定概念を崩すための
構造的な選択がなされています。
【単発ではなく、連作としてのリメイク】
Remake by VERSにおけるラグリメイクは、
一度きりの表現ではありません。
型を変え、構造を変え、
検証を重ねながらアップデートしていく
研究的なプロセスそのものがシリーズです。
Fringe Collar Rug Jacket “Two Faces”は、
その積み重ねの上に生まれた、
現時点での一つの完成形と言えるでしょう。
【まとめ|ラグを「着る」という体験】
“Two Faces”は、
単なるリメイクジャケットではありません。
ヴィンテージラグの文脈を読み取り、
構造として再構築し、
着用によって印象が変わる二面性を与える。
それは、
第1弾から続く試行錯誤の記録であり、
シリーズとして成熟した現在地でもあります。
Remake by VERSが提案する
ラグリメイクの一つの答えを、
ぜひ体感してみてください。




